10YC 復活を遂げた次世代のアパレルブランド

「ファッションで派手に着飾ろうとは思わないけど、ほんとうにシンプルで着心地がよく、長く愛用できるアイテムが欲しい」

ブランドについて初めて知ったのは1年半ほど前でした。
それから数ヶ月後、なんと生産中止の状態に。。

しばらくして調べてみると、激動の期間を経て復活を遂げていました。
不定期で展示会も行なっており、ちょうど先日墨田区にある事務所での展示会に行ってきたので、そちらも兼ねてご紹介します。

10 Years Clothing

10YC(テンワイシー)というブランド名は「10 Years Clothing」の略です。
その名の通り、本当に着たくなる10年着続けられるようなプロダクトを生み出します。

「着る人も作る人も豊かに」
をキーコンセプトに2016年に立ち上がったアパレルブランドです。

               

これまでのアパレル業界の常識といえば、
なるべく安く効率よく大量生産していくような流れが主流。
ただ、セールや高い値引率での叩き売りが前提の価格設計では、そもそもその服がいくらのものなのか不透明です。

そんな状態に違和感を感じ始めた代表の下田さんを筆頭に、
想いを共にする仲間と
見た目、質感、強度にこだわって、「自分たちが本当に作りたいと思う服」を作り手と消費者の両側から考えるものづくりに取り組み始めました。

持続可能性/透明性/ストーリー性

Photo via 10YC facebook

・持続可能性

続くという意味では、「10年着られる」というコンセプトのもと服自体の質ももちろんなのですが、「ブランドとものづくりを支える製造業の会社が永く続くように」という意図が伝わってきます。

1着の服が作られる工程となる、紡績、編み、織り、裁断、縫製、染色の現場を練り歩き、仲介業者を使わず直接契約していることで、生産者の利益も確保をしながら、同時に50%という高い原価率で、より高品質なものをリーズナブルに消費者に届けられるような体制を整えています。

実際にものづくりの現場をわかっている上で考えるブランドとあくまで頭の中の理想を追ってできあがるものとでは、消費者サイドに伝わるものも大きな差がありますし、そこからできあがったものは、もはやいち消費財としての枠を超えていると思います。

そしてアパレルの中でも比較的新しい取り組みが「カラーリフォーム」です。

汚れてしまった服、色に飽きたり似たような色の新しいものを買ったために着なくなった服を、染め直すことでさらに長く着られるようにするというサービスです。

・透明性/ストーリー性

上記の各工程でどれくらい費用が発生しているのかという原価内訳までオープンにしているのも、大きな特徴です。

加えて、ただ原価を公開するだけでなく、生産現場を取材しmade in Japanの技術力、職人の業(わざ)を発信することで、そのプロセスもふまえてどれくらいの価値があるものなのか向き合うことができます。

ブランド名に箔がある、だとか有名人が使っているからというような動機が悪いとはまったく思わないまでも、自分で見て着て、自分でいいものなのかどうか判断する。

これからの消費活動はこのような流れに転換してほしいと切に願います。

そうすれば、市場には商品力に長けたものが多く残り、特にものづくり大国、地方で貴重な技術をもった優良企業が繁栄していきます。



10ycの歴史を辿る

下田さんの想いをきっかけに、クラウドファンディングでもかなりの共感を得て、ようやく形としてブランドになった10YC
その後いつくかのメディアにも取り上げられ、脚光を浴びると同時にかなり厳しい意見も寄せられました。

「海外ブランドのパクリじゃん、、」
「なんで移り変わりの早いこの時代に長く着られるものを作るの?」
「ストーリー性やコンセプトが響かない」

こんなリアルの声と葛藤をしながら、それでも賛同をしてくれる人も多勢出てきて、だんだんと公に広まっていきます。

しかしながら、下田さん達自身が多少ブランド先行になり、結果として生産者にも消費者にも応えられなくなった時期がありました。
商品ラインナップが増え、製造工程も複雑化していくのと並行してそのフローの仕組み化が不十分だったため、需給のバランスが偏りニーズに間に合わなくなってしまいました。

創業者のお一人、後さんに直接お伺いしたところ、「あまりにも期待に答えられなかったため、あえて一度クローズししっかりと基盤を整えてから再開するほうがいい」という判断だったようです。

そうして20188月末~2ヶ月の休止期間を経て、10月に再開を果たしました。
再開後は、待ち望んでいたファンもかなり多かったようで、順調に伸びつづけ今に至っています。

展示会に行ってみて

正直なところ展示会に行くまでは半信半疑な部分もありました。
「原価の透明性とはいうけれど、パフォーマンスもあるのではないか」
「長く着られる質の高いものであれば、ユニクロのパーカーも相当なレベルだよな。それと価格相応の質の差が本当にあるのか」
ブランド力ではなく、質と中身で勝負しているのであれば百聞は一見に如かずというわけで、墨田区の展示会(普段は事務所)に伺いました。

決してユニクロを卑下する訳ではありません。むしろユニクロの製品を普段愛用していますし、柳井さんをとても尊敬しています。
ですが、一言で質がいいと言っても、これまでのパーカーとは根本的に違う。

圧倒的な差でした。

さっと羽織ったときのさらりとした質感、体に馴染む綺麗な輪郭、着ただけでわかる作り込みの高さ

生物学では、「人は生き残るために直感が進化し精度が高い」といわれておりますが、まさにこれらの要素を一瞬にして感じ取りました。

展示会場の雰囲気は、良くも悪くも着飾らないありのままの事務所でした。
10YCはリアルでの顧客との接点をとても大切にしています。

今後伸びていけば、会場の内装であったり雰囲気の醸成に力を入れられるかもしれません。
ただ、私個人としては本当に必要なところにだけコストをかけている今のスタンスもとても好感が持てます。

すでに10YCのことを知っている方、このブログを通して知ってくださった方いらっしゃるかと思いますが、可能な限り実際に試していただきたいです。
そして、今後より多くの方が触れられるような機会が増えていくことを切に願っております。

・どうしても試着が難しい方
決して安くはありませんが、先行投資だとしても投資額以上のものは確実に得られます。いつも購入している衣類の点数を減らし、間食に費やしているちょっとした出費を抑えてもいいかなと後からでも思っていただけると自負しておりますので、ぜひお手にとってください。

著者はグレーのパーカーとブラックのクールネックシャツを購入いたしました。
シャツについては在庫がなかったため後日配送となりました。
おまけでいただいたブックマーク(本のしおり)とステッカーもお気に入りで愛用しています。

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